3Dシミュレータが作れるシステムだれでも
シミュレータ

前回は、Blenderとはどのようなソフトなのか、そしてBlenderで作った3Dモデルを「だれでもシミュレータ」でWeb上の3Dシミュレータにする流れをご紹介しました。

今回は、Blenderで3Dモデルを作るときに使う「オブジェクト」についてご紹介します。

3Dシミュレータを作るには、まずWeb上で表示・操作するための3Dモデルが必要です。
その3DモデルをBlenderで一から作ることもできますし、すでに別のソフトで作られた3DデータをBlenderに読み込んで利用することもできます。

Blenderで作る3Dモデル

Blenderでは、立方体や球、円柱などの基本的な形状を組み合わせたり、ポリゴンを編集したりすることで、さまざまな3Dモデルを作ることができます。

例えば、家具や住宅設備、什器、製品なども、基本的な形状を組み合わせながら作っていくことができます。

Blenderで3Dモデルを作る方法は、大きく分けると次のようなものがあります。

  • 基本形状(プリミティブ)から作る
  • 平面を押し出して立体にする
  • カーブから立体を作る
  • ポリゴンを編集して形状を整える
  • 他のソフトで作った3Dデータを読み込んで編集する

ここでは、その中でも基本となる方法を紹介します。

基本形状「プリミティブ」から作る

Blenderには、モデリングのベースとして使える基本的な形状があらかじめ用意されています。
これらは「プリミティブ」と呼ばれます。

例えば、次のような形状があります。

  • 立方体
  • UV球
  • ICO球
  • 円柱
  • 円錐
  • トーラス

これらの基本形状をそのまま使うだけでなく、ポリゴンを編集したり、後から紹介するモディファイアを使ったりすることで、複雑な形状へ加工していくことができます。

立方体

もっとも基本的な形状のひとつです。
家具や箱、建材など、さまざまなモデルのベースとして利用できます。

UV球

縦横方向に分割されたポリゴンで構成された球です。
丸い形状を作るときの基本となります。

ICO球

三角形のポリゴンで構成された球です。
UV球とは異なるポリゴン構成を持っています。

円柱

円筒形の製品や部品などを作る際に利用できます。

円錐

先端のある形状を作るときに利用できます。
設定を変更することで、円錐台のような形状にすることもできます。

トーラス

ドーナツのような形状です。
リング状の部品などを作る際に利用できます。

平面を押し出して立体を作る

Blenderでは、平面に厚みを加えて立体的な形状を作ることもできます。
例えば、四角形の平面を作り、そこに厚みを加えることで板状のパーツを作ることができます。
Blenderには、このような処理を簡単に行える「ソリッド化」というモディファイアがあります。

モディファイアとは、オブジェクトそのもののポリゴンを直接変更することなく、形状を変形・生成できる機能です。
例えば、

「平面を作る」

「ソリッド化を適用する」

「厚みを設定する」

という操作で、平面から立体的な板状のオブジェクトを作ることができます。
家具や建材など、厚みのある板状のパーツを作る場合にも便利な方法です。

カーブを使って形状を作る

Blenderでは、カーブを使って形状を作ることもできます。
カーブは、線を使って形状を作るためのオブジェクトです。
例えば、曲線を作ったり、文字やロゴなどの形状を扱ったりするときに利用できます。
また、モディファイアと組み合わせることで、カーブを使って立体的な形状を作ることもできます。

回転させて立体を作る

花瓶やボトル、円形の容器など、中心軸を基準として同じ断面が回転するような形状は、回転によって作ることができます。
Blenderでは「スクリュー」モディファイアなどを利用して、このような回転体を作成できます。
例えば、横から見た断面形状を作り、それを中心軸の周りに回転させることで、円筒状の立体を作ることができます。

複雑な形状でも、断面を作って回転させることで効率よくモデリングできます。

ポリゴンを編集して形状を整える

プリミティブなどから作ったオブジェクトは、ポリゴンを編集することで、より細かな形状に加工できます。
Blenderのメッシュオブジェクトは、

  • 頂点

という単位で構成されています。
編集モードに切り替えると、それぞれを選択して移動・拡大・縮小などの編集ができます。
例えば、

「立方体を作る」

「編集モードにする」

「面を選択する」

「面を移動・押し出しする」

といった操作を繰り返すことで、単純な立方体からさまざまな形状を作ることができます。
Blenderでのモデリングでは、このような基本的な編集を組み合わせながら3Dモデルを作っていきます。

すでにある3DデータをBlenderに読み込む

ここまで紹介した方法は、Blenderで3Dモデルを一から作る方法です。
しかし、実際の製品開発やWeb制作では、すでに別のソフトで3Dモデルが作られていることも多くあります。
その場合は、Blenderで一から作り直す必要はありません。

Blenderには、さまざまな3Dデータを読み込む機能があります。
例えば、次のような形式に対応しています。

  • OBJ
  • FBX
  • glTF / GLB
  • DAE(Collada)
  • STL
  • DXF
  • SVG など

※対応形式や読み込み方法は、Blenderのバージョンやアドオンによって異なる場合があります。

他の3DソフトやCADなどで作られたデータをBlenderに読み込み、必要に応じて形状を調整したり、Web表示に適した状態に整えたりすることができます。

OBJデータを読み込む

OBJは、さまざまな3Dソフトで利用されている代表的な3Dデータ形式のひとつです。
Blenderでは、ファイルのインポートからOBJファイルを選択して読み込むことができます。
OBJを読み込んだ後、Blender上で形状を確認したり、必要な編集を行ったりすることができます。

なお、OBJでは形状データとマテリアル情報が別ファイルになる場合があります。
マテリアル情報を正しく読み込むためには、OBJと関連するファイルを適切な場所に配置しておく必要があります。

FBX・DAE・STLなどを読み込む

BlenderではOBJ以外にも、さまざまな形式の3Dデータを読み込むことができます。
例えば、

FBX
3Dモデルだけでなく、マテリアルやアニメーションなど、さまざまな情報を扱える形式です。

DAE(Collada)
3Dデータを交換するための形式のひとつです。

STL
主に3Dプリントなどで利用される形式で、基本的には形状を扱うためのデータ形式です。

glTF / GLB
Web上で3Dデータを扱うことを考慮して作られた形式です。

特にWeb上で3Dモデルを利用する場合には、glTF / GLBは重要な形式になります。

Blenderで3Dモデルを整える

他のソフトから3Dデータを読み込んだ場合でも、そのままWebで利用できるとは限りません。
Web上で動く3Dシミュレータでは、見た目だけでなく、データの容量やポリゴン数なども重要になります。

そのため、Blenderを使って、

  • 不要なパーツを整理する
  • ポリゴン数を調整する
  • オブジェクトの構成を整理する
  • マテリアルを設定する
  • テクスチャを整理する
  • Webで扱いやすい形式に書き出す

といった準備を行います。
つまりBlenderは、3Dモデルを作るためだけでなく、Web上で利用するための3Dデータを整えるためにも使えるということです。

Blenderで作った3Dモデルをシミュレータへ

ここまでが、Blenderで3Dモデルを準備する工程です。
次は、この3Dモデルに色や質感などのマテリアルを設定し、Web上で利用できる状態にしていきます。
「だれでもシミュレータ」では、Blenderで準備した3Dモデルを使って、Web上で操作できる3Dシミュレータを作ることができます。

流れを整理すると、

Blender
→ 3Dモデルを作る・整える

マテリアル
→ 色・質感・テクスチャを設定する

だれでもシミュレータ
→ 3DモデルをWeb上で操作できるシミュレータにする

という関係です。

3Dモデルを一から作る場合だけでなく、すでにお持ちの3DデータをBlenderに読み込んで利用することもできます。

次回は、3Dモデルの見た目を決める「マテリアルの準備」についてご紹介します。

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